住宅を新築するときにまず必要になってくるのが土地ですよね。
土地選びには次の方法があります。
- 自分ですべてやる。
- 不動産会社にお願いする。
- 住宅会社(ハウスメーカー)にお願いする。
自分ですべてするのは難しそう。
資格がなくても不可能ではないけど、それなりの知識が必要やな。
土地購入に関して全部自分でやるという方は珍しいでしょう。ほどんどの人は不動産会社や、住宅会社に代理でお願いすると思います。
不動産会社、住宅会社それぞれの目的は次のとおりです。
- 不動産会社:土地を売りたい。
- 住宅会社 :土地探しのお手伝いをして、そのまま家の契約につなげたい。
不動産会社は土地が売れれば良いわけです。言葉は悪いですが、売ってしまえさえすれば、あとの建物のことなんてどうでも良いわけです。
一方、住宅会社はというと、最終的にあなたたちと家の契約をしたいわけです。そのために土地を一緒に探してくれます。住宅会社に探してもらった土地を買った後に、「家を建てるのは別の住宅会社にお願いします。」とはなかなか言いにくいですよね。
何が言いたいかというと、営業マンの言うことを何でもかんでも信じてはダメだということです。
なんだか土地選びが心配になってきたよー。
営業マンが提案してくれる土地に対して、取捨選択がきちんとできるように、自分達もそれなり知識をつけて挑むんやで。
営業マンの意見だけに流されることないように、自分たちの土地選びの基準をつくっていれば、営業の方は頼りになる強い味方になります。今からその知識を一緒につけていきましょう。
目次
土地選びの心構え
自分で調べたおすこと
まずは相場を知ることが大切です。チラシやネットで自分が希望するエリアの情報をとにかく見まくることです。このエリアの不動産情報なら業者より私の方が把握している!というくらいになる勢いで見まくってください。そうすればそのエリアの相場が見えてくるはずです。そこまでなれば営業の方が探してきてくれた物件がお買い得なのかそうでないのか瞬時に判断することができます。土地は究極の一点もので早い者勝ちです。最後は決定力が必要になります。自信を持って決定できるように相場を把握しておきましょう。
よーし!やる気になってきたぞー!
必ず現地を確認すること
良いと思った土地があれば必ず現地に行って確認することが大切です。机上だけの情報ではわからないこともあります。現地では以下の項目をチェックしましょう。
道路と土地の高低差は大事なポイントで、高低差が大きいとその分造成費がかかったり、建築で構造上特別な費用がかかったりします。道路より土地が低い場合は、雨の時に極端に水はけが悪くなるなど生活に支障をきたします。また、洪水被害も受けやすくなるので注意しましょう。
生活するとなったら騒音は気になるものです。朝の通勤、通学時や昼間、夜間それぞれの時間帯に現地に行って音の大きさをチェックすることが大切です。また、平日と休日でも違ってきたりしますので、できるだけ色々な時間帯に現地に足を運びましょう。
隣の家が動物をたくさん飼っていて、一日中鳴き声が聞こえてくるなんてこともあるので、必ず現地で確認するんやで。
周囲の建物が敷地に及ぼす影響は非常に大きいので必ずチェックしましょう。特に、敷地の南側に大きな建物(3階建て以上の建物等)が建っていないか、建つ予定はないかは確認しましょう。南側に大きな建物があると、日当たりが極端に悪くなってしまいます。この後の記事でも日当たりについて書いていますが、住宅にとって日当たりは最重要といっても過言ではないので、要注意です。
不動産屋さんに「閑静な住宅街ですよ」と紹介されて現地に行くと、2、30年くらい経った住宅ばかりが立ち並ぶ古い住宅街だったりします。そういった住宅街はすでにコミュニティが構築されていて、新参者が入りにくく窮屈な思いをする場合があります。それでも他に比べて安いしここでも良いという方は、その住宅街での新築状況を確認することが重要です。建て替えが進んでおり、人の入れ替えが始まっているような住宅街でないと町そのものが老朽化していき、やがて廃れてしまいます。その住宅街の将来を見据えることも重要です。
不動産屋さんの言う通り確かに静かな住宅街なんだけど、、、なんだか殺風景で活気がない。ここに入る勇気は私にはないなぁ。
交通量の多い大通りに面していたり、反対に道路が狭く車が入っていきにくい土地でないかを現地で確認しましょう。車通勤の方等にとってはほぼ毎日のことですので非常にストレスになったりします。
造成費等を含んだ価格で比較すること
土地の値段を比較するときは、建物が建てられる状態までかかる費用を加えて比較しましょう。
例えば面積が同じ150㎡のAとBの土地があったとしましょう。
- 地目は宅地
- 上下水道引込済み
- 道路との高低差なし
- 地目は宅地
- 上下水道引込なし
- 道路の高低差あり(土地が道路より50cm高い)
Aは現状で建物を建てられる状態ですがBはこのままではまだ建物を建てられる状況とはいえません。
このように条件を揃えた費用で比較することが大切です。
一見安くても造成費を含むと逆転することもあるんだね!気をつけておかないと!
造成費等の余計な費用の算出は住宅会社にお願いすれば出してくれますのでお願いしましょう。
もし自分で概算を出したい場合は以下の数字を参考にしてください。
- 水道引込工事:30~80万円/1式
- 切土工事 :2~2.5万円/㎥
- 盛土工事 :1.5~2万円/㎥
- 表層改良費 :70万円/式(面積100㎡、深さ1.5m程度)
不動産会社や住宅会社に本気度を示すこと
不動産会社や住宅会社に土地探しをお願いするときは、「予算」「期限」「希望条件」を伝えることになります。その内の「予算」「期限」の伝え方で相手にこちらの本気度を示すことが大切になってきます。相手にこちらの本気度が伝われば、相手も本気で良い物件を探してくれます。「予算」「期限」についてそれぞれ次のポイントに注意して伝えましょう。
是非、不動産会社には印鑑を持参してこう言ってやりましょう。「印鑑もってきてるので、良い物件があれば今日にでも契約できますぜい!最高の物件情報を出してくださいな!印鑑チラッ」
・・・冗談です。
本当は1年以内に土地を購入したいと思っていても、相手にはすぐにでも欲しいって伝えた方が良いってことだね!
希望条件を決める
ではいよいよ土地の希望条件を決めるための土地選びのポイントを押さえていきましょう。
希望条件は次の順番で決めていくとスムーズに土地探しが進みます。
- エリアの条件
- 土地自体の条件
- その他の確認すべき条件
ではそれぞれお話していきます。その中から自分達が大事だと感じた項目をピックアップして、自分達に合った優先順位を決めましょう。
エリア選びのポイント
まず土地のエリア選びですが、絶対にこのエリア!という希望をお持ちの方は1つのエリアに絞ってよいと思いますが、私のおすすめは希望エリアを複数用意しておくことです。エリアに関しては同等条件のエリアは複数存在すると思うので、ガチガチに絞るべきポイントではないと思います。下記のポイントをある程度抑えた複数のエリアを候補に挙げておきましょう。
お子様がいる家庭の場合は、どこの学校区に入っているか、小学校は歩いて通える範囲か、中学・高校は自転車で通える範囲か等がチェックポイントになります。また、自治体によって保育料無償化や高校生まで医療費無償など取り組みが変わってきたりするので自治体のホームページで調べたり、役所に行って聞いてみることも大切です。
勤務地までの通勤時間は非常に大切になってきます。例えば片道10分違うと、一日往復で20分、1年240日出勤したとして4800分、職場が変わらないとして30年で144000分、時間に直すと2400時間になります。自由な時間というのは非常に貴重なものです。
土地を購入するときは、当然ながら現在の利便性や治安、街並みを見て土地を選ぶ方が多いでしょう。しかし、現在はあまり利便性が良くないエリアでも、将来的に再開発によって暮らしやすい街に変貌を遂げる可能性もあります。逆に、今は良く見える住宅街でも徐々に廃れていく場合もあります。
そんな土地の将来性を判断するのに有力な材料となるのが、行政が作成する「都市計画」です。都市計画ではそれぞれの自治体が目指す街づくりが定められています。都市計画は自治体のホームページでも確認できますが、自分で読んでもさっぱり理解できないと思いますので、自治体の窓口で直接聞くか、住宅会社の方に調べてもらうとよいでしょう。
住宅は基本的に資産になりませんが、土地は資産になり得ます。都市計画を知ったうえで、先見性のあるエリアの土地を選びたいものです。
土地条件のポイント
ズバリこの項目が一番重要です。日当たりの良し悪しで、住生活の豊かさ、そして光熱費等のお金にも大きく差が生まれます。では日当たりの良い土地とはどんな土地でしょうか。
- 南向きである
南向きとは、その土地が真南に対して15度以内の傾きであることとします。
0度(真南) ⇒ 〇 南向き
20度 ⇒ ✖ 南向きでない
- 南側の建物と離して家が建てられる
南側にある隣家から最低でも5m、理想は8m以上離して家が建てられるような土地でないと南に向いていても日当たりが良いとは言えません。日差しをしっかり取り入れたい冬の時期に、5m離れていると2階の窓に日差しが入り、8m離れてやっと1階の窓に日差しが入ります。
営業マンによっては、土地が真南から30度や40度傾いていても「南向きです」と言うことがあるので気を付けるんやで。
地盤が悪い土地の場合、その上に建物を建てるときは地盤改良が必要になります。地盤改良にはそれなりの費用がかかるため、できれば改良の必要がない地盤がしっかりした土地を最初から選んでおきたいです。
ところが、地盤調査は実際に土地を買ってからでないと実施できません。ですから、土地を購入する前は別の方法で調べる必要があります。その方法は、役所の窓口やホームページでハザードマップや昔の地図・航空写真を確認することです。
確認するときは、次の「地盤があやしい土地」に当てはまらないかを確認しておきましょう。
- 昔、池や沼だった土地
- 盛土によって造成された土地
- 海を埋めた埋立地
その他確認しておくべきポイント
最後にその土地に特殊な制限等がある土地でないかを以下の項目を確認しておきましょう。
- 法的制限の確認(接道、用途地域、高さ制限、日影制限、防火・準防火地域等)
- ハザードマップの確認(浸水想定区域に入っていないか等)
- 建築条件付きの土地
- 共有の専用通路がある土地
- 不整形地(不整形な土地、がけ地、旗竿地等)
- 敷地の境界を示す境界標がない土地
不整形な土地は設計士の腕次第でかえって魅力的な住宅にできる可能性もあるので選択肢としてはありやな。整形な土地に比べて価格も安いしな。
まとめ
いかがでしたでしょうか。良い住宅を建てるために、土地選びはとても重要になってきます。住宅会社や不動産会社の営業マンの言葉に対して自分達の考えをぶつけられるように、しっかりと家族で話し合い考えをまとめてから土地探しに臨みましょう。良い土地を選択できることを祈っています。
頑張るんやでー。ほな、また。